
当記事ではプレスリリース原稿をこれから作成する方、またリリースを活用して今まで以上にメディアへの露出を増やしたいという担当者の方に向けた記事内容となっています。
プレスリリースや各種コミュニケーション手法は時代と共に刻々と変化しています。時代に合わせた適切な広報手法で記事掲載を狙っていきましょう。
プレスリリースとは
「広告」と「広報」の違い
広告と広報は良く比較されるプロモーション手法ですが、改めて説明をしておきます。
「広告」は広告枠をお金で買い取り、そこに言いたいメッセージを乗せるプロモーション手法です。一方「広報(パブリシティ活動)」は、メディア(報道関係者)に「記事(ニュース)」として情報を伝えてもらう手法となります。
| 広告(advertisement) | 広報(Public Relations) | |
|---|---|---|
| 方法 | メディアの広告枠を購入する | 記事(ニュース)として取り上げてもらう |
| 内容 | 企業の好きなメッセージを発信 | 記者(編集者)が取材などを通して第三者の視点で発信 |
| 掲載費用 | 有料 | 無料 |
| 掲載決定権 | 企業 | 報道関係者 |
| 内容の信頼性 | 低 | 高 |
| 掲載確率 | 確実 | 不確実 |
広告と広報の違い
「広告」では企業が好きなメッセージを伝達できる反面、生活者からは一方的な情報と見られるため、信頼性は残念ながらあまり高くはありません。
一方、報道関係者が取材などを通して第三者視点で書いた「記事(ニュース)」は、広告に比べると信頼性も高く、より多くの生活者がしっかりと読み込む確率も高いため、認知や購買、態度変容などにより繋がり、影響力が高い情報ソースと言えるでしょう。
こうした記事として取り上げてもらうことを目的とした活動を、一般的に 「パブシリティ活動」 と呼びます。
ではどうしたらニュースとして取り上げてもらえるのでしょうか?
パブリシティ活動の要「プレスリリース」

こうした報道関係者への一般的なコミュニケーション手法としては、「プレスリリース(ニュースリリース)」を使った活動が一般的です。
「プレスリリース」とは、一般的に企業・団体が報道関係者に向けて情報を発表するための公式文書のことを指します。
A4縦型1~3枚ほどの横書きスタイルでまとめたものが一般的で、新商品や新サービスの発表、イベントやセミナーなどの開催告知、業績などのIR情報、謝罪文などとしても使われています。
簡単に言うならば、 プレスリリースとはメディアに企業の情報をニュースとして取り上げてもらうための「企画書」 です。
プレスリリースが世の中で初めて使われたのは、1906年にアメリカで発生した鉄道脱線事故の際の企業発表が最初とされており、以後企業が報道関係者に向けて情報を公開する際の一般的手法となっています。
2013年には、コカ・コーラ社がプレスリリースを撤廃する( Kill the press release)と発表し大きな話題となりましたが、この話題はなぜかすっかりと消えてしまい今に至ります。
なお、近年ではWEBサイト等で生活者へ情報を伝える手段としても使われるようになったため、「ニュースリリース」と使い分けされるケースもありますが、明確な定義があるわけではありません。
また似ているワードとして、ニュース性がそこまで高くない企業情報を、読み物形式としてメディアへ情報を提供する資料を「ニュースレター」などと呼んだりもします。
実際にプレスリリースはどのように作ればよいのでしょうか?
プレスリリースの書き方のコツ【10のポイント】

プレスリリースの伝達対象は、主にニュースや記事コンテンツを扱う報道担当となります。取り上げてもらいたい内容にもよりますが、一般的な企業だとまずは主要メディアとして下記5つのメディアをターゲットとして考えていくと良いでしょう。
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通信社
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新聞
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雑誌
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WEBニュース
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テレビ
後述する「プレスリリースの送り方」で詳しく解説しますが、この他ラジオ番組、インフルエンサー、芸能人、ユーチューバー、ブロガーなど、影響力がある程度あり第三者意見を発信してくれるメディアは全てがターゲットになる時代です。
プレスリリースは「メディアにニュースとして情報を扱ってもらうための提案書」です。
基本的な内容は「新商品」や「新サービス」といった新しい(NEWS)情報や、「世の中の動き」などのトレンド情報などをもとに、ニュースバリューをアピールしていく流れとなります。
①プレスリリースの基本構成
さて、実際のプレスリリースはどのように作ればよいのでしょうか。
近年はWEBを使ったリリース配信サービスの普及により、テキスト文章のみ作るケースもありますが、プレスリリースは郵送やFAXで送信することも多いので、基本はA4縦型サイズの作成に慣れておくことをおすすめします。
文章の構成は何かルールがあるわけではありませんが、古くからの慣習もあることから縦A4横書きで、下記4つの要素をいれるのがおすすめです。
プレスリリースにはルールがあるわけではありませんが、これまでに様々な企業が発信していた一種の様式があるので、そちらから大きく逸脱しない形が望まれます。
基本は下記の4要素を必須とし、企業が持つニュース性)を、嘘偽りなく事実を的確に伝えることが重要となります。
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タイトル
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本文
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会社概要
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問い合わせ先

特に記者や報道関係者は1日に何通もプレスリリースを受け取ることになるため、なるべく簡素に短くまとめることも重要となります。
忙しい記者にも、重要なポイントを端的に短時間で伝える必要があります。
②ポイントは6W5H

一般的に文章作成時には5W1Hと呼ばれますが、プレスリリースでは6W5Hを基本として作成すると情報漏れを防げます。
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Who(誰が)
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What(何を)
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Where(どこで)
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When(いつ)
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Why(なぜ)
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Whom(誰を対象に)
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How(どうやって)
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How many(数)
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How much(量・金額)
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How long(時間・距離)
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How in the future(将来)
文章は「です。ます。調」を基本に短く簡潔に。専門用語は使わず、誰もが理解できる(小学生にも伝わるような)簡素な文章を意識するとよいでしょう。
自社の商品やサービスが、いつ誰に向けて発売され、それによって世の中がどう良くなるのかを軸に、てにをはや主語・述語を明確にし、数字を意識して書くようにすると効果的です。
特に なぜやるのか というストーリー要素をアピールできると、ビジネス媒体のインタビュー取材などに繋げやすいのでオススメです。
③逆ピラミッド構造で離脱を防ぐ

リリースに記載する情報は、新聞記事などで見られる「逆ピラミッド構造」を意識し、重要事項から優先して記載するようにしましょう。
④ニュース性を向上させる【7つのエッセンス】
プレスリリースには具体的にどのような内容を盛り込めばよいのでしょうか。
ニュースになる情報には一定の法則があります。下記7つのエッセンスを盛り込むことができれば掲載率は上がります。PRしたいネタの中に、アピールできる要素がないか入念にチェックしましょう。
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新規性(New)
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意外性(Surprising)
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話題性(Topic)
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地域性(Location)
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希少性(Rare)
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ストーリー性(Story)
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社会貢献(Social Contribution)
新規性:日本初、世界初などの要素が組み合わさると最強です
意外性:驚きからもニュースが生まれます
話題性:SNSの発展でさらに重要エッセンスに
地域性:地元ならではの話題は地域メディアに取り上げられやすいです
希少性:珍しさもニュースになりやすい
ストーリー性:インタビュー記事などを狙う際に重要となります
社会貢献性:新聞に取り上げてもらう際に特に重要となります
これらを上手く掛け合わせて、ニュースバリューを最大限に訴求しましょう。
⑤リリースにアレを入れるだけで閲覧時間が21%アップ!?

海外のプレスリリース配信メディア「 PRweb」の調査によると、画像のないリリースの平均2分18秒だったところ、画像付きのリリースは2分47秒と30秒近く滞在時間が増えたという結果が発表されています。
無機質になりがちなプレスリリースですが、写真は必ず入れるようにしましょう。
⑥ ◯◯を添えれば効果2倍!?“広告の父”オグルビーに学ぶレイアウト戦略
写真を入れるだけで閲覧時間を増やせることが分かりましたが、さらに簡単に閲覧率を増やす方法があります。
広告の父、デビット・オグルヴィの法則ともいわれているもので、写真の下にテキストでキャプション(説明)を入れるだけです。
オグルビーによると写真の下のキャプションは、本文の2倍読まれると言われており、様々な広告にこの手法が使われてきました。こうした法則はプレスリリースにも応用しましょう。
⑦問い合わせ先は個人名と個人の連絡先を記載
問い合わせ先を必ず記載するようにしましょう。
問い合わせ先には、企業・団体名、担当者名、連絡先(電話番号・メールアドレス・FAX番号)などを必ず記載してください(新聞記者などにはFAXで連絡する記者も少なくありません)。
その際、返信が遅れてしまう info@~ などの会社代表アドレスはなるべく使用せず、個人のアドレスを記載したほうが良いでしょう。
また急ぎの電話連絡にも対応できるよう、可能な限り携帯電話の番号を記載しておくのも重要ですです。
⑧1万件近くシェアされたリリースとは?生活者もターゲットに
プレスリリースは従来、報道関係者へ情報を発信するためのみに使われてきましたが、現在ではWEBやSNSの発展により一般の生活者にも情報を伝えるツールと変化してきています。
実際に下記プレスリリースは、Twitter上でコミケユーザーの間で人気となり、9,000件以上のシェアがされています。プレスリリースは報道関係者向けのみのツールではなくなってきているともいえるでしょう。
「外出にも使えるミーティングバッグ」を発売
⑨プレスリリースはSEO対策になるか?
国内にはプレスリリースを配信するインフラサービスがいくつか存在します。こうしたプレスリリース配信サイトでは、大手ポータルサイトなどにリリースの原文をそのまま掲載することができます。
こうした提携サイトへの掲載は生活者に向けた情報発信の意味合いが強いですが、SEO対策にはなるのでしょうか。
結論から言えば、2013年以降グーグルのポリシー変更以降、リンクにはnofollowタグが付けられるようになったため、被リンクとしての効果はなくなりました。
ただし被リンクとしては意味が無いものの、現在グーグルニュース検索対策や、グーグルアラート対策になります。更にはグーグルニュースのレコメンドコンテンツとしてリリースページそのものがピックアップされるケースもあることが分かっています。
最近では、SmartNewsなどのニュースキュレーションアプリにも連動していることから、こうしたサービスもうまく活用していくのがおすすめです。
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掲載先サイトのリンクにはnofollowタグが付けられており被リンクにはならない
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自社サイトにテキストデータで載せておけばSEO対策になる
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掲載先サイトへの掲載は、グーグルアラート対策やグーグルニュース対策、ニュース検索対策として一部有効である
海外SEOブログ
Links in press releases should be nofollowed(suzukikenichi.com)
⑩文章作成に困ったときは
文章そのもののチェックは、 ワードの校正機能 を活用するのがおすすめです。リリースの文章チェックには、設定からチェックレベルで「公用文」などを選ぶと良いでしょう。誤字脱字だけでなく、表記ゆれや読みやすさなどもチェックしてもらえます。
なお数字は人間がチェックするしかないので、特に間違いがないよう入念にチェックしましょう。
便利な校正機能ですが弱点があり、漢字をひらいて記載するかどうかや、送り仮名などの表記はチェックしてくれません。
下記の単語はどちらが正しいとされている日本語でしょうか?
「癒し」or「癒やし」
「暮す」or「暮らす」
「お待ち下さい」or「お待ちください」
これは後者が正しい日本語とされています。こうした表現は「記者ハンドブック」という記者のための表現ルールをまとめた本があるので、こちらを基準に文章を書けば間違いはありません。
文章が苦手な方は、主語と述語をどのように組み合わせて良いのか分からない、という方が多いと思います。作文そのものを勉強するには下記の本などもおすすめです。
結果を出すためのプレスリリースの送り方

メディアリストの作り方
解説順序は逆になってしまいましたが、プレスリリースを作成する前に、送り先のメディアリストを作成しておくと良いでしょう。具体的な送付メディアを頭に入れてから原稿を作成することで、リリースのイメージが付きやすくなります。
送付先メディアはリリース内容にもよりますが通常の企業情報の場合、基本は「通信社・新聞・雑誌・テレビ・WEB」の主要5媒体を設定すると良いかと思います。
メディアの数は膨大なので、いざ自社のターゲットメディアを設定しようと思ってもなかなか難しいもの。ここではいくつかターゲットメディアを探す方法や広報ツールをピックアップしてご紹介します。
「マスコミ手帳」
自社のPRターゲットとなるメディアを探す上で、最もスタンダードな方法として 「マスコミ手帳」 があげられます。
これは新聞社・通信社・テレビ・雑誌・専門誌などからWEBのニュースサイトまで、1,000媒体以上の電話番号と住所が記載されているハンドブックで、業界やジャンルからメディアを探すことができます。このハンドブックで自社業界やジャンルなどから、ターゲットメディアを抽出しリスト化するのが基本となります。
このハンドブックは残念ながらデジタル化されていないことと、FAX番号が書かれていないことが弱点となります。
FAX番号を知りたい場合は多少面倒ですが、記載されている番号へ電話をしてプレスリリースを送りたい旨を聞けば教えてくれるはずです。
「日経テレコン」
「日経テレコン」 は日本経済新聞社が提供するビジネスデータベースサービスです。
有料サービスではありますが、新聞や一部雑誌のテキスト検索をすることができます。こちらを活用することで、自社が扱うテーマがどのようにメディアに取り上げられているのかを探すことができます。
「テレビ出た蔵」
「TVでた蔵」 にはテレビデータがテキスト化され、無料で公開されています。こちらもキーワードで検索すると良いでしょう。
「dマガジン」
「dマガジン」 は月額400円の有料サービスとなりますが、200誌以上の雑誌を横断検索することができるため、こちらも広報活動のマストツールとなります。
「Googleニュース検索」
WEBのニュースサイトは、Googleでニュース検索して探すと効率的です。
「ヤフーニュース」で検索
ヤフーニュースをテーマで検索して、とりあげている記事の元ソースを探すのも効率的です。
「Googleトレンド」
直接メディアを探せるわけではありませんが、









